美容皮膚科は、医学的・皮膚科学的に根拠のある美容治療を目指す皮膚診療の1つの分野で、疾患の治療だけでなく美容を目的とした施術が扱われています。その歴史は比較的まだ浅く、日本美容皮膚科学会は1987年に日本皮膚科学会内で研究会として発足したのが始まりとされ、1994年に1つの独立した学会として組織化しています。つまり、発足から現在に至るまで約30年程度で、長い歴史を有する日本の各診療科学会の中では比較的新しい診療科となっています。また、学会員数も増加傾向にあるものの準会員を含め全国で約2000名程である為、一般の方には未だ馴染みが薄い存在です。
もっとも、男女を問わず美容に対する関心の高まりから注目を集める診療科でもあり、知名度もこれからの段階にあります。そこで、この美容皮膚科の特徴は、根拠に基いた医療を中心として皮膚の生理的な構造やそのメカニズムを研究し、その成果を臨床治療に活かすと伴に医薬化粧品やレーザー等関連機器、また新たな治療薬等の知識も広く身に着け皮膚科学的に根拠ある美容治療が取り組まれています。その具体的な治療では、シミやたるみ、ニキビ、毛穴や脱毛などを皮膚に於けるトラブルやコンプレックスに特化しており、ヒアルロン酸やボトックス注射、レーザー施術、ケミカルピーリングまたスキンケアの指導などが行われています。そして、これらの治療は美容整形外科等でも扱われていますが、皮膚科学に基づいた専門性の高さと表層を整えるだけではない立体的構造にアプローチを図る点で独自性があり、治療の新たな道を切り開き、これから発展が期待される診療科分野です。